いやらしく馬鹿な女の子
時子
「雲は水蒸気からできている」
学校の授業ではそう教わったように思いますが
小さな 小さな 水の粒や
小さな 小さな 氷の粒で
本当は出来ているのだそうです
私はもう ずいぶん前に大人になりましたが
今でもあの 柔らかく あたたかい
ちぎって食べたら 甘そうな雲が
そんな冷たいものたちから出来ているなんて
到底信じられそうにありません
綿菓子が浮いているのさ。 と あなたに言われたら
ふぅん そうなの。 と信じてしまう私です
コップを曇らせる水滴の自然さと
甘い口紅の人口の輝きを
指でこすって
曖昧にして
そういうふうに 生きてきたのです
身体ばかり むくむくと成長して
私は