いやらしく馬鹿な女の子
時子


「雲は水蒸気からできている」

学校の授業ではそう教わったように思いますが

小さな 小さな 水の粒や

小さな 小さな 氷の粒で

本当は出来ているのだそうです



私はもう ずいぶん前に大人になりましたが

今でもあの 柔らかく あたたかい

ちぎって食べたら 甘そうな雲が

そんな冷たいものたちから出来ているなんて

到底信じられそうにありません



綿菓子が浮いているのさ。 と あなたに言われたら

ふぅん そうなの。 と信じてしまう私です



コップを曇らせる水滴の自然さと

甘い口紅の人口の輝きを

指でこすって

曖昧にして

そういうふうに 生きてきたのです



身体ばかり むくむくと成長して

私は


自由詩 いやらしく馬鹿な女の子 Copyright 時子 2013-08-22 12:10:54
notebook Home