風の強い日に
花形新次

風の強い日に
海辺に立って
白い波を見ている
自信に満ちた背中を
女は頼もしく思い
額を押し当てた

その温もりを
今日は受け入れてやろう

振り向いて
女の肩を抱き寄せた時
女の額が
黒い粉まみれだった

俺は気にしないで
口づけした

粉は
今朝俺が振り掛けて来た
スーパーミリオンヘアーだった

だから風の強い日は嫌いだ
まあ、いい
知られる前に眠ってもらう


自由詩 風の強い日に Copyright 花形新次 2013-08-21 23:09:40
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