嫌気
マチネ
押しつけられたサインペンの、押しつぶされたペン先に、抑えつけられた紙の底
机上に黒が滲んでいる
うすい白紙がうけとめきれずに零した黒が
笑ったような形をしている
いらないのですこんなものは
あなたは机を叩き割る
裏返った歌声を、羨んだ眦の、潤いを見る昼下がり
秋空に紅が散らされている
届かない枝にはりついた紅を
蔑むように見つめている
戻らずともいい
あなたは咽喉を引きちぎる
もういいのだ
昼寝する少年は
うつぶせの体を固めて
しようがないとつぶやいている
自由詩
嫌気
Copyright
マチネ
2013-08-19 15:52:53