千曲川−夏ー
……とある蛙

信州の古城の櫓跡から
千曲川を眺める

川面の風景の上には
大きな空が広がり
風が吹きわたる
風に膨らまされた空は
何も言わず、僕の頭上にある

古戦場の舞台となった古城
望める山を指で突く
何の変化もなく
黙ったまま空は澄み渡る

沈黙する青空は
真っ黒な自業自得と
許されない腹の虫を
僕に思い出させ
さらに、そのまま広がる青空

頭上に青い空、吹き抜ける涼風

心を閉ざしたまま
解決のつかない時間が
のし掛かる

相変わらず空は青く
千曲川は蛇行する
対岸の彼方 
遠景には青々とした山脈

だが、一時の目眩を感じ
風に覚醒される夏の
八幡原


自由詩 千曲川−夏ー Copyright ……とある蛙 2013-08-19 10:53:14
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