葉leaf


昨日がないので今日もない
だから明日も明後日もない
あるのは太陽の昇り沈み
大気の湿りと突然の雨
そして疲労を癒す涼しい風

自分は動物だと思っている
ときには蛇のようにしなやかに
ときには鳥のように素早く
ときには猫のように眠たげに

ニンゲン、というのは何か嘘っぽくて
今日も自分はニンゲン、でありたいとは思わない
たまに家にやってくるスーツを着た役人
ああいうのがニンゲン、なのかな

自分はよく知らないけど大きなものの中で循環している
そんな自分の中にも循環するものがある
感情より先に言葉が動き
意識より先に眼球が動き
先へ先へと遡っていく中で何かを一回りする

生きがいなんて必要ない
目的なんて考える前に既に太陽は昇っていて
自分たちは汗を流しながら働く
自分たちの汗はきっと美酒に違いない
わけのわからない大きな循環の口に注がれていく

タシャ、というものがある以前に
自分は既にタシャ、を見抜いているし
タシャ、は自分を作っている
そのタシャ、とかいう言葉やめてくれないか
気持ち悪くて仕方がない

喜びと悲しみは
太陽の昇り沈みと似た周期でやって来て
太陽なんて大嫌いだけど
そんな太陽に自分の中のよく分からない循環を
あてはめていっている
例えばご飯は太陽のように口に入り
太陽のように排泄される

故郷がないので異郷もない
だから国家も世界もない
踏みしめている土があればそれで十分で
体が動き汗が流れればそれが毎日の祭りだ
何も祭らなくてよい
全てが溶け合って巡り合っている


自由詩Copyright 葉leaf 2013-08-18 15:26:21
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