ひとつぶ
石田とわ




   下駄をはく爪さき紅くはにかんだほら朝顔がしじまに惚れた
           
              

   かなしみのかなしみの声聴こえたら痩せた背中の骨なぞらえる

           

   夕暮れが寝床をさがし泣いているあるじのいない枕貸します

           

   会いたいと素直になれず「もしもし」と朝顔にそっと伝言たくす

           

   砂のなかきらきらひかる粒ひろう雲母でしょうか、いいえあなたです







短歌 ひとつぶ Copyright 石田とわ 2013-08-17 01:47:10
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