ここにいてもいい
るるりら

昼間のうだるような夏の空気に
すっかり力を
すっかり リカちゃんは わすれました

あまりにながいこと 西日の中にいたものですから
セルロイドのように 時間も すっかり やわらかくなり
窓をあけると たどたどしくギターのアルペジオが
聞こえます 


失ったものがあったのでしょうか
ギターの音があるだけです

すこし であるくと
そこかしこに ちいさな花が咲いてます
すっかり 力を
すっかり そぎおとしたときに であう
水の音
花の色
とてもつかれているのでしょうか
まわりにある さまざまなものが  ささやくのです

水が 言います
「ここに いたら いい」
花が 言います
「ここに いたら いい」
アルペジオが いいます
「ここに いたら いい」

風が きまぐれに
すべてを  やさしい歌にかえるので
しずかに 目をとじて聞いています いつまでも
いつまでも






****************************
初出「あなたにパイを投げる人たち」の即興ゴルコンダ(仮)に
投稿させていただいたもの

http://anapai.com/CGI/cbbs/cbbs.cgi?H=T&W=T&no=0
タイトルは ほかけさんです。


自由詩 ここにいてもいい Copyright るるりら 2013-08-10 03:29:08
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
るるりらの 即興ゴルゴンダ