諦めなければ叶うなどと言う

夢物語は成功者だけのお話で

大半の事柄が叶わない現実は

それでも私の足首を掴んでて

一瞬の気の迷いのように夢を

今日も見せようと暗闇で嗤う

明日も見せようと暗闇で誘う

私は夢を見るのには若くなく

諦めきるのには大人でもなく

宙ぶらりんの首吊り人形だと

自覚しているから目前の道が

左右に分かれていてもさほど

迷ったりはしないのだろうが

それでもたまに本当にたまに

何かを掴めるかもしれないと

胸を高鳴らせてしまうことが

あるから困るんだとあなたに

笑って言ってみたのはきっと

あなたが欲しかったからだと

深夜のテレショップを見つつ

涙を流したりもする弱さとか

愛おしいなんて思わないけど

神様なんていねぇよって思う

ホンマ神様なんていねぇよな

だってホンマはただあなたの

好きな人になりたかっただけ

それは宇宙よりも大きな夢で

ほら最初に戻るしかないんだ

諦めなければ叶うなんてこと

一握りの成功者だけのお話で

私は漏れてしまった敗北者だ

つまり世の中結果論で全てが

決まってしまう危うさがある

そんな話をあなたとしてみて

やっぱり私は選ばれないなと

心臓にコールタールが流れて

全身を覆い尽くす重さを感じ

現実とやらと対峙し続けてる

明日なんて来なければ良いと

思う日もあるけれど弱いんだ

私は弱いんだあなたの前では

やっぱり生きる事を選択して

重い足を引きずって息をする

結局あなたが好きってだけの

話で終わっちゃう思考回路だ