葉leaf

求めている手が鳴り響く
その音が始まる前の凍結した国で
欠落は欠落として満ち足りていた
土の表面は華やかに彩られ
予言はいくつもの囲いを検索していた

鳴り響く手に初めて巻き付いた風は
音を運んでいく途中で手を裏切った
手は崩れて古い風となり
壊れた音をかき集めて新しい音を作った
長くて重くて沈んだ朝の引き際のことだった

鳴り響く手を突風がどこまでもさらっていった
手は指を分解しては突風にその組織を与え続けた
手と風との贈与と信頼の輪がなぜ可能だったか
その問いに焼かれながら
手は突風が裏切ることをいつまでも信じ続けた
だがその前に手は突風からはぐれてしまった
記憶が音楽にいつまでも遅延する夜のことだった

鳴り響く手に最後に訪れたのは手の形をした風だった
手と風は互いに絡み合いながら
互いに最後の贈与として沈黙を与えた
もはや風は音を運ばず手は音楽を鳴らさない
その代わりに彼らをめぐる自然が大合奏をした
手は細胞に戻り風は大気に戻り
再び欠落が欠落のままに

そうして私とあなたは今日初めてあいさつを交わす
終焉の記された土地の刻まれた囲いの中で


自由詩Copyright 葉leaf 2013-08-08 14:36:41
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