興津の庭
大村 浩一

興津駅の手前 山側
人家が不意に途切れて
現れる
庭みたいに小さな畑
柿や夏蜜柑の樹
小さなブランコ
うつくしい朝
空は西から吹き払われ

(生き延びてここに戻るとは
 思っていなかった)

海沿いを東へ走る
津波や高潮で通行止めになる
住むのに相応の覚悟が要る土地
そこで囲まれて護られて
わたしへ投げかけられた
景色


2011/10/3〜2013/8/7
大村浩一


自由詩 興津の庭 Copyright 大村 浩一 2013-08-07 22:18:27
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