雨上がり
森未
アスファルトを
冷やして
しゅわりと水蒸気
たちこめるにおい
苦しくなって
でも深呼吸
冷えたのは一瞬
生ぬるい温度が
足を伝って
透明な傘から
にじんだオレンジが眩しい
喉が渇いたよ
地面にしみ込んだ雨粒みたいに
強くたたきつけて
はじけて
消えてしまうことができたらなあ
と、想像する
するりと
首筋を伝う汗に目が覚めて
簡単にできないことを知る
溜息は
白い熱気と一緒に消えて
今日もやさしい灯のともる
あの家に帰る
自由詩
雨上がり
Copyright
森未
2013-08-02 18:11:12