一人じゃ生きて行けない
創輝

「私は一人じゃ生きていけない」と
はらはらと涙を流した君の事、今でも良く覚えてます。
こないだ、君の事、見かけました
不器用そうな男が、必死こいて君を幸せにしようとしてました
君は十分幸せそうでした。

大丈夫、一人じゃないよ。

優しそうな男が 優しい言葉で君をだまして
君はだまされていることに気がつきながら、気づかない振りをしてました。

君が生きるのは、一人じゃなくて
だけど そばにいるのはぼくではなくて
ただ不器用そうで 実直な男の隣にいてください。

あなたをだましている罪悪感に 私は苦しくなって
その苦しみから逃れるために、君を泣かせてしまいました。

大丈夫、ぼくは元気です。

ぼくの世界で、元気でいるつもりです。

料理がうまくなりました。君に教わった裁縫も今では大得意。
得意料理は君も好きだったカルパッチョ。
相変わらず、君の影を追いかけてます。


どうしてあなたが泣くんですか。
馬鹿な男が、自分の馬鹿に泣いただけです。あなたが泣く必要はどこにもない。


ああ、君を好きになれてよかったです。
二度と、この手を伸ばしませんが 
二度と 君を抱きしめられませんが

それでも ぼくは幸せです。

「私は一人じゃ生きていけない」 ぼくも、そうだよ

だから 愛する君のことを忘れるように努力しながら
ぼくの世界から、君の面影をなくさないようにも努力してます。

いつか 何処かであっても何も言わずに消えるつもりです。

最期に あなたがいてくれてよかった。


自由詩 一人じゃ生きて行けない Copyright 創輝 2013-08-02 08:57:27
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