きみの声
シホ.N



きみの声を
遠くで聴いた
きみの眼の中
僕はいなかった

誰のものでも
なき人よ
誰かわからぬ
その人よ


遠くの声に
きみが響いた
多くの眼のうち
きみだけ光った

僕が泣くとも
知らぬ世よ
僕が無くとも
覚めぬ世よ


ひとつの声を
あげる怖さ
ふたつの眼により
見る厳しさ

すべての時間を
たたみ込み
すべての空間
だき込んで


自由詩 きみの声 Copyright シホ.N 2013-08-01 17:19:31
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