此岸より
ねこすけ

たとえば海に沈んでゆくあいだ
仰向けに真っ青な空を眺めながら
ゆっくりと溶け合うように
その感情に浸っている
太陽の光を浴びた無色透明の
その澄み切った色をキャンパスに描いてみたくなる
誰も持っていない透明な絵の具
そんなものはないと知っているからこそ
憧れてやまない
そして手を伸ばす
空想の空を掴むように
誰しもそんな光景をみて嗤うに違いないのだ
此処にはきっとなにもない
眼をあけてみれば もがき溺れているだけだというのに


自由詩 此岸より Copyright ねこすけ 2013-08-01 04:54:22
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