あの日のこと、その後のこと
ブルーベリー

花が揺れるのを
染み込ませる様に
或いは
焼付かせるように
目の奥で繰り返しては



震える草いきれを
君に重ね

いた

痛みを

守れなかった
守りたかった
指先で
記憶だけをうたっている

どうしてきみがなくの

もう大丈夫だよと
優しく告げる

悪夢があったことは事実だったけれど
その痛みは君のじゃないはずだから

また一緒に眠ろう
子供みたいに無邪気に
あの頃みたいに
何もなかったかのような顔で

傷口はもうないから

大丈夫だよ

気に入らないなら
こわしてくれていいよ

だから

このドアを開けて

嘘をつかないで

叫びにおいで

震えていた子供の領分

カラ

数年経ったエゴイスト
傲慢な指先で
今度こそ間違えず
君をきっと、捕らえる

たしかな記憶を
叫んでみせる

カラ

傲慢な
君の
僕は
ここにいます


変わったね なんて かなしみ は
おねがい 言わないでくれよ




自由詩 あの日のこと、その後のこと Copyright ブルーベリー 2013-07-28 22:50:27
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