サーカスの日に咲く花
マーブル

ゆるやかなカーヴ描いて
夕暮れは無言のまま
裸足の気持ち連れて
だれにも知られず
森に帰ってゆく
透明な跫音響かせ
かさかさと風を編んでいる


青の終わりが
テーブルのうえに
一粒一粒
散らばっていた
もう泣かないのって
あの子はそう云って
水滴に名前をつける


シャボンに映った夢たち
音もたてずに
弾け飛んだ
そこから
やわらかな傷口が
歌いだして
やがてオルゴールになるんだ


遠い夏の星座に寄り添えばあの先へ行けるだろう
サーカスの日に咲く花に
聞いたんだ
流星は旅に出たんだ
だからちっとも
悲しくなんて
ないんだと


サーカスの日に咲く花は
いつもは檻の中で
眠っている
だけど黄色い花びらに
生まれてよかったのって
いっせいにそう云うんだ


喉を鳴らして
景色が踊りだすのを
待っている
私は今



1000の願いを
宇宙にばらまいたところ



自由詩 サーカスの日に咲く花 Copyright マーブル 2013-07-26 22:48:48
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