彼方の孤城
カンナ

読みきれない程の本たちの 眠り眠ってる図書館で

そうね、壁は紫がいいわ 綺羅綺羅してるの、ライラック色

甘くて甘いアカシアの 薫りに溺れるその広間

私は独り、泣いて笑って 踊って舞って、また眠るの

大きな遥かなシャンデリアが 落ちて来ないかと肩を抱いて

それでも猫脚ソファに潜り 狂ったように唄い続けるわ

それでも嫌いなひとを呪って 狂ったように待ち惚けるわ

お紅茶にはね、ミルクを注いで お茶が三に、ミルクが七よ

ミートパイには、砂糖を振って 赤砂糖でないと食べないからね

嗚呼まだかしら、まだかしら 踊って舞って、また眠るの

狂ったように唄い続けるわ 眠り眠ってる図書館で

読みきれない程の本たちの 眠り眠ってる図書館で







自由詩 彼方の孤城 Copyright カンナ 2013-07-26 17:19:19
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