父へ
創輝

あなたから、一度だけ怒られたことがあります。
小学校に入ってすぐのころ

そのときはすごい剣幕で
だけど私、あなたが怒っていたような悪いこと、ほんとはしてなくて。
ただ、相手の子が間違えていただけだったけど あなたはとにかくずっと怒っていた。

だから私、あなたのことそのときから信じてません。
あなたが私に「ありがとう」と言っても、あなたはまた間違えているかもしれないもの

あなたが、こないだ私の姉…あなたの娘と喧嘩したとき

あのときもあなたはずっと怒ってた。
私、彼女は間違ってなかったと知ってます。だって私があなたにちゃんと何度も言葉にして伝えてたもの。
彼女はそれを知っていて、「人の話を聞いて」と怒ったんですよ。

だから私、あなたが話を聞いてくれると期待しません。
あなたが「教えて」ということの総てが 何度も言葉にしたものだから。

それでも私は 姉は あなたの娘なんです。
信じたいし期待したいしこれが甘えだって知ってます。
だけど あなたの期待するほど私はあなたを信用していません。

私がクラスでハブられてても
私がうそつき呼ばわりをされても

姉が悩んでいても

あなたは私たちが解決できると思ってます。
自分が口を出しても何も解決しないって あなたは良識を持った聖人みたいに言うけど
私たちだけで解決できることって そんなに多いですか?

私は あなたが私に望む成績を出して あなたの望む答えを返して
そんな器用に生きることを学びます。

姉は あなたが姉に望む言葉を返せず 彼女の思いをそのまま伝え
素直に生きることを学びます。

あなたは私たちの「父」ですか?

無関心が愛の反対ならば 私たちの「無理解」は愛の反対ですか
器用にいきたいと思ったことはありません。
だけど姉のようには生きられない。

ごめんなさい こんな娘で
あなたが私を「いい子」と言うたびに そう思ってます

私は あなたに私を知ってほしいとは思わない そんなのエゴでしょ
だけどお願い

私たちの生き方を 期待しないでね
私たちは結局 私たちの思うままにしか生きられないんだから

あなたの思ったとおりに進んでくれる娘たちはもういないから


自由詩 父へ Copyright 創輝 2013-07-26 07:51:23
notebook Home 戻る