檻から飛び立ったあなたの愛へ
創輝

わたしがあなたの手を振り払ったのは
悲しいからではなく
怒りからでもなかった

ただ愛がこの巣を飛び立って、

この檻から去っていくのを見つけたから……

わたしがあなたの手を取ったのは
あなたを哀れんだからでもなく
ただ愛しいと思ったからだった

幼い愛が大きくなって、

この檻を窮屈に感じるようになったから……

新しい部屋はどうですか

あなたの愛はもっと大きくなって また小さく感じるのですか
でも今度の部屋はきっと柔らかいから あなたに合わせて大きくなるよ

この檻はいつまでも小さいまま…

飛び立ちなさい と声をかけたわたしが檻で
いつまでもうずくまっています

わたしがあなたの愛を追い出したのは
愛が小さくなったのではなく
二人の愛が大きすぎてこの檻を壊してしまうから

だけど帰ってきてもいいですよ

飛び立つ鳥は振り返らないけど 愛は鳥ではないようだから
ここは檻だけど
傷つくものを守ってくれる場所でもあるから

いつか帰ってきてくれる日を

そんな日を思いながらわたしは今日も檻にいます


自由詩 檻から飛び立ったあなたの愛へ Copyright 創輝 2013-07-25 08:15:24
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