空白になったら曲がれ
ざらざらざら子
夜がしのびこんできた、体内に、夢の続きがみたくてごみ箱をあさった、夢のなかで、あんたの首筋から鎖骨にかけてのへこみに野花を飾って、希望とかなんとかについて語るわたしたちの唇に寂しい思いをさせないようにする、絶対に、ゼッタイというときに飛び跳ねる舌がくすぐったくてしあわせだね、舌で感じるものは味だけじゃなかったんだって知ったら誰もがもう一度身体について考えるよ、考えて考えて、あの角を左に曲がればなにもかも無かったことになるとしたらどうするつもり?
あんたに似合うものであふれているこの地球が青いうちに、夢に色を詰め込んでおこう
右手を切り裂けば黄色いペンキが飛び散って左手に穴をあけたらむらさき色の絵の具がにじみだす、そんな身体のそんな夢、地球上に散らばっている、噛み終えたガム同然に
熱を帯びた夜に対してやさしくふるまいたいね、あんたみたいに無視したり殴ったりなんて安易だもの、希望に触れたい舌で触れたい、だけど安易にはなりたくないじゃない?だからやさしく絡めるように触れるの、夜を放出するように夜泣きをして、安売りのとり胸肉を焼きながら妊娠する、夜明けとともに朝刊を切り裂く、鶏が鳴くタイミングを逃して朝が来ない、はじまらない、少女にも娼婦にも音楽にも宝石にも値札がつけられない
わたし、舌に希望を絡めたら、あの角を左に曲がる