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左屋百色

1から10まで説明しない
3や7は自由に泳がせてみる
2や5はもう好き勝手に
現代詩だから、
夏休みの中学校から響く
ブラスバンド部の練習が
足を止めさせるのです
胸がはりさけて
現代詩だから、
比喩より風景を集めて
基地をつくるのです
入口で土の中に言葉を埋めて
それでも
残された言葉でうたうのです
ないものをつくりだし
ないものをうたうのです
現代詩だから、
選んだ絵具に青がなくても
青空を描くのです
鳥もミサイルも飛び交う
青空を描くのです
現代詩だから、
陽が落ちて声をはりあげ
空缶が倒れ
ビルが崩れ
その周りに言葉があふれだし
情報で体中に傷をつくり
それでも起き上がるまで
現代詩だから、
必ず夜が明けて
言の葉で
孤の独で
朝から走りだすのです
現代詩だから、
今まで手に入れたもの
手に入れられなかったもの
すべて
現代の詩にするのです
現代詩だから、
毎日に感情を落とし込むのです
どこを切っても
血が流れる
現代詩だから、
基地を塞ぎ
ドアというドアをすべて
開けるのです
カギがないなら壊せばいいのです
現代詩だから、
2や4や9などはもう独立して
自分では説明できません
現代詩だから、
接続詞は枯れて新しい花に
なりました
ひとつの花になりました
現代詩だから、
あなたが今まさに読んでいるのが
現代詩だから、






自由詩 123456789 10 Copyright 左屋百色 2013-07-16 15:46:40
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