歩き出した干潟は
草野大悟

忘れさられた言葉が
おしゃべりをはじめる海で
魚たちは言葉になって
人のなかへと泳いでくる

おおきな風は
おおきな影を
ただ、夢という魚に変換して
泳いでいる

どこを?

魚になった言葉や
風になった海や
影になった夢や
泳いでいる、になった人や

しっとり、が
干潟を創るから
みんながおいそれとはモスバのハッピーセットを
ゲットする
ことは
できない

歩き出した干潟は
タシカに
乳幼児の顔をしている






自由詩 歩き出した干潟は Copyright 草野大悟 2013-07-13 22:33:38
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