誓い
文字綴り屋 ひじり

銀のブレスレットは誰かがくれたものではなかった 
それは私が私自身のためにたてた誓いのブレスレットだった 
また再び涙が溢れようとも決して怯まないと 
必ず立ち上がり一歩踏み出すと 
心に決めたから 
それを忘れないための刻印
なのにあなたは私の腕からそっと外そうとする 
あなたのその笑顔で 
その優しい声で 
「君の強さはこのブレスレットがあるからじゃない 
君の心の強さがそうさせるんだ 
君の笑顔はその心の強さと優しさがあるから輝いているんだ 
君が隠しておいた弱さや脆さは俺が守るから 
もう外して大丈夫だよ」
外してしまったらもっと弱くなってしまう 
もっと脆くなってしまう 
このまま儚く消えてしまいそう 
それなのにあなたは私の腕からそっと外そうとする 
だけど私はわかっていてもどうすることもできない 
ただただあなたの瞳を見つめるだけ 
ああどうか私をもっと強くしてください 
例えあなたがいつか私の前からいなくなったとしても 
私が立ち上がれるように 
一歩踏み出せるように 
ああどうか私を強くしてください 
このままあなたの腕に摑まり目を閉じてしまう前に 
あなたの胸に飛び込んでしまう前に 
どうか私を引き止めてください
隠しておいた弱さがあなたのそばで心地良く眠りについてしまえば 
私はまた新たな刻印を刻み込む 
一度身につけてしまえば二度と外すことのできないあなたという刻印を


自由詩 誓い Copyright 文字綴り屋 ひじり 2013-07-11 00:29:23
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