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はるな



テーブル、ほんの一秒まえの
カーテンの波を再現できない
難しいことを言わないで
泣いたり笑ったりして
わたしの手前で
息を吸って
そしてすぐ後ろで吐き出して
運動を繰り返して
お願いをするから
ことわって
それから承諾して
手をひらいたら
意味をのせてください
そしてわたしを
わすれてください

いつでも、ほんの一秒まえの
感情をおもいだせない
まつ毛のいちいちさえ
自分のものだと思えない
あなたの手前で
息を吸って
そしてすぐに吐き出して
繰り返す運動を
懺悔するから
ことわって
百回でも千回でも
いちいちことわってください
そのたびごとにわたしを忘れてください

海や山などの
すばらしいものたちの回転へ
ついてゆけずにいる
わたしのすべてを
否定してください
秒針のするどさをもって
ことわってください
わたしの泣いている午後や、
生き返す午前を
否定してください
ことわってください
それいがいに
立っている場所がないので
これさえもことわってください
おそろしい今日が
やってくるまえに
わたしの運動を否定して
そしてわたしを
わすれてください



自由詩 (-) Copyright はるな 2013-07-05 23:26:06
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