流れ星が いま落ちた (他二編)
るるりら

     「 流れ星がいま落ちた 」


0の あすなろが あっけなく逝ったとき 流れ星が落ちた
1の はじまりが あっけなく逝ったとき 流れ星が落ちた
2の なおざりが あっけなく逝ったとき 流れ星が落ちた
3の もんじゅのちえが あっけなく逝ったとき 流れ星が落ちた
4の しあわせが あっけなく逝ったとき 流れ星が落ちた
5の てのひらが あっけなく逝ったとき 流れ星が落ちた
6の みちなりが あっけなり逝ったとき 流れ星が落ちた
7の たいかいが あっけなく逝ったとき 流れ星が落ちた
8の むさしが あっけなく逝ったとき 流れ星が落ちた
9の くらやみが あっけなく逝ったとき 流れ星が落ちた
10の とうかんかくが あっけなく逝ったとき 流れ星が落ちた
11の チームワークが あっけなく逝ったとき 流れ星が落ちた
12の つきひが あっけなく逝ったとき 流れ星が落ちた
13の かいだんが あっけなく逝ったとき 流れ星が落ちた
14の ソネットが あっけなく逝ったとき 流れ星が落ちた
15の いちごいちえが あっけなく 逝ったとき 流れ星が落ちた
16の 詩かけ誌が あっけなく 逝ったとき 流れ星が落ちた


  なにもなくなって どこかの あなたと わたしは 
  いまも そらを みあげる 



        「絶対に大人にならないこと!」

17 の誓いは ゆがんだ大人にならないことだった
18 の卒業証 当時の学内新聞がはさんであり
19 のときも 好きだった男子がコメントを載せていた
20 のときの 「勉強しろ」が こだまする
21 のときの いのちがけの あそび
22 のときの 恋愛の意味不明さ
23 のときの 本気
24 のときの 人間不信
25 のときには 女性誌に書かれている【プチ大人】が、子供に 思え
26 のときは 大人だと 思った

  おとなだなんて 幻想だった たいせつなひとと わたしは
  いまも そらを みあげる


        「恋は宇宙的な活力である。」

ながれぼしが おちて
わたしは このからだに いのちを身籠った その子は
わたしが 触れられる 宇宙の可視化であり 匂いであり
わたしは その子の 餌であり玩具であり 前をゆく人になった

連綿とつづいた ほそい 命の糸が私であり
ふるえながら 恋のような情熱を絶えず放出したがっている
けれど じたばたしているときは わからない
目を閉じているときだけ 見えることがある

負けて 起きあがけず 目をとじているときだけ
恋のような情熱が
星の永遠が しずかに わたしに よりそう 

からだが こころが 壊れた玩具の日にだけ 
たかみの あの宇宙の力は 
やさしい。 そして 私は ほうき星のように みなぎる



************************************************
「あなたにパイを投げる人たち」の即興ゴルコンダ(仮)より お題をいただきました。
現代詩フォーラムに投稿させていただいた詩は、即興ゴルコンダ(仮)に投稿したものを
大きく改編しました。

http://anapai.com/CGI/cbbs/cbbs.cgi?H=T&W=T&no=0

お題提供者のみなさまの名前一覧
★流れ星がいま落ちた / 小原 明季さん
★絶対に大人にならないこと! / ほかけさん
★恋は宇宙的な活力である。 / るるりら


自由詩 流れ星が いま落ちた (他二編) Copyright るるりら 2013-07-05 12:00:50
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
るるりらの 即興ゴルゴンダ