夜の目覚め
ヒヤシンス


今、私の見ている夜空をあなたもきっと見ているでしょう。
それはなんと素敵な事なのでしょう。
遥かな時を超えて今輝きを放っているこの星々は、
私とあなたの魂の結びつきを担っているのです。

この空がまだ夕映えに染まっていた頃、あなたはほんの少しの憂鬱を抱えて、
あの記憶の窓辺に腰掛けていたことでしょう。まるで夜を怖れるかのように。
じつは私もそうだったのです。記憶の中の薔薇の花咲くこの窓辺に。
しかし薔薇の棘さえも私たちの純粋な魂に傷を付ける事など出来ません。

私はあなたを心から愛しています。
声に出すと震えて砕けてしまいそうなので、
そこここの木々にあなたの記憶を刻みつけました。

今宵の月は白くて美しいですね。
神々しいこの夜の目覚めは互いに求める私たちの飛翔する魂を
いつまでも優しくその胸に包み込んでくれるのです。


自由詩 夜の目覚め Copyright ヒヤシンス 2013-07-04 23:12:49
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