絶対に大人にならないこと!
小原あき
寝息を立てる
わが子に思う
一生、そのまま
かわいい赤ちゃんのまま
わたしのそばを離れず
わたしを一番ひつようとし
憎まれ口もたたかず
ただ、ひたすらに
一生懸命たべ
一生懸命あそび
一生懸命ねむり
一生懸命いきていてほしい
だけど、そんな思いを
蹴り飛ばすように
わが子は日々
できることが多くなる
親の願いは欲深く
大きくなってほしいと思いながら
いつまでも
子どものままでいてほしいと
矛盾した世界でいきている
この子がいくつになっても
この寝息は忘れない
この小さな手が
いつか大きくなって
わたしをおぶったとしても
ずっとずっと
小さなままなのだろう