雨が止んだら (椎名 誠より続編・敬意を込め)
朝焼彩茜色

雨が止んだら 
この小さな島を出よう

雨が止んだら
引き潮の今 この瞬間から 過去の陸を心で強く強くするんだ

雨が止んだら
娘の湿った日記を もう涙で湿らすことのないよう 前へ前へ進むんだ

雨が止んだら
暖かく強かな晴天の灼熱を 今よりも仰ごう 目に沁みるくらいに

雨が止んだら
遥か彼方に流れていった 魂を拾いにいこう

 星の砂が囁く 目が沁みて拾えない されど 手のひらに掬う 木漏れ光 星の砂

雨が止んだら

雨が止んだら
もう 佇まず 彷徨わず 救われた運を 運んでゆこう 遥か彼方まで

雨が止んだら

雨が止んだら
涙で満ちる前に 誰かが息を吹きかける陸へ 会いにゆこう

 雨が止んだら 進んでゆこう

 娘の分も

 家族の分も

 友達の分も

 みんなの分も

 雨が止んだら 進んでゆこう もっと生き貫いてゆこう

 


自由詩 雨が止んだら (椎名 誠より続編・敬意を込め) Copyright 朝焼彩茜色 2013-07-01 19:54:47
notebook Home 戻る