隙間
イナエ

サッシュの窓といえども二十年もすれば、ひずみも出るし、隙間も出来る。
夫婦の間にもずれや、隙間ができる。
若い頃は埋めようと色々と努力して、かえって息苦しくなった。
年経て、諦めたのか、ゆとりが出来たのか、二人の間のずれは互いの個性と認識し、
それによって、互いが独立した個人と認め合う余裕が出来たのだろう。
一種の風通しの良さもうまれ、呼吸も楽になった。
詩を作るときは、その隙間を利用して、自分だけの時間を作っている。

耐震構造の建物にもゆとりはあって、ボルトの締めすぎは良くないという。
鉄道レールにも隙間があって、それが熱膨張による線路のゆがみを防いでいる。
隙間は、ときには正の働きをするものだ。


自由詩 隙間 Copyright イナエ 2013-06-30 14:11:21
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