過去の遺跡
朔月 実
今の御時世 いろいろ便利な世の中になり
その透き間に感情が潜り込む
私の心に棲んでいる 愛しい貴方の気になる過去も
目の前や手の中の 電子機器でほら ひと調べ
そこに現れる貴方の過去に
目を奪われたり 目を背けたり
ああ 見るんじゃなかったと
自分で勝手に落ち込んで
過去の女性(ヒト)を羨んで
自分で勝手に嫉妬する
ああ なんて愚かしく
ああ なんて間抜けた行為
それでも現在(いま)に目を向けて
貴方の瞳の自分の為に
遺跡をそっと封じ込め
待ってろ未来と進んでく
私が遺跡にならないように
並んで歩み続けるように