手紙
石瀬琳々
まっさらな春の手紙を開封す花びらこぼれていちめんの花
雨のように心は君をおぼえてるインクのにじみ幾度もなぞり
桜闇何を待ちわびあの日からかごめかごめの輪のなかにいる
雨でした、泣き濡れたまま奪ってよくちびる触れたその場所へ君
恋しいと空行く風にしたためる若葉揺すれて青い切手を
さよならの五月のかもめ便箋の白い海には愛するの文字
わが小鳥血を流し鳴く赤色の薔薇よ答えはどこにもなくても
はつ夏の森をひらいて雫するみどりの馬のギャロップかるく
(元気です)思いひとつを投函すいつかは胸に届いて風よ
この文書は以下の文書グループに登録されています。
薊道