ピクニック
はるな


ぽくぽくした睡眠のあいだに怒りを差し込ん
で、いるので、起きると朝の世界は、わたしに背を向
けているのだ。それで、コカ・コーラを買って、咳止めシロッ
プ、風邪薬、湿布などを買い、ビルをななめにみ
おろしている、わたしの脅迫、わかりま
すか、わかりますか?それはどんなに声を荒
げても、届くことがありませ
ん。
思想を縦断もしくは横断しつづける営み、つい
にはずたぼろになったその一枚を(しっていますかそれは、う
つくしくひかる絹の時代もあったのですが)、わた
したちはピクニックの敷物として活
用します。思想も役にたつことがあるのだなあ、と笑っ
た父ですが、これもまた偽造され折りたたまれた思想のひと
つにすぎないとすれば、いったいこのピクニックという
ものを、わたしはいつ実現す
ることができるでしょうか?
ピクニックを実現することができるでしょうか?

の場合、かなしみと怒りはよく似ています。統合され
たひとつの人間のなかに、べつべつの部屋を持つことのゆ
るされるのは、たいてい、喜ばしい、花の香りのするような、て
ざわりのよい、そういう感情ばかりです。わた
しの部屋にはいまや
相互干渉する扉が設置されており、(ひとつか、もしくはふたつ、あ
るいはそれを三つもつ部屋さえあります!)わたしはおそらくいちば
んはじめの扉を制御することがやっとです、そ
れらは相互干渉します!それらは
相互干渉します。


自由詩 ピクニック Copyright はるな 2013-06-18 12:31:54
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