ピクニック
はるな
ぽくぽくした睡眠のあいだに怒りを差し込ん
で、いるので、起きると朝の世界は、わたしに背を向
けているのだ。それで、コカ・コーラを買って、咳止めシロッ
プ、風邪薬、湿布などを買い、ビルをななめにみ
おろしている、わたしの脅迫、わかりま
すか、わかりますか?それはどんなに声を荒
げても、届くことがありませ
ん。
思想を縦断もしくは横断しつづける営み、つい
にはずたぼろになったその一枚を(しっていますかそれは、う
つくしくひかる絹の時代もあったのですが)、わた
したちはピクニックの敷物として活
用します。思想も役にたつことがあるのだなあ、と笑っ
た父ですが、これもまた偽造され折りたたまれた思想のひと
つにすぎないとすれば、いったいこのピクニックという
ものを、わたしはいつ実現す
ることができるでしょうか?
ピクニックを実現することができるでしょうか?
そ
の場合、かなしみと怒りはよく似ています。統合され
たひとつの人間のなかに、べつべつの部屋を持つことのゆ
るされるのは、たいてい、喜ばしい、花の香りのするような、て
ざわりのよい、そういう感情ばかりです。わた
しの部屋にはいまや
相互干渉する扉が設置されており、(ひとつか、もしくはふたつ、あ
るいはそれを三つもつ部屋さえあります!)わたしはおそらくいちば
んはじめの扉を制御することがやっとです、そ
れらは相互干渉します!それらは
相互干渉します。