霜天

その暗がりの
垣根の曲がり角
街灯の忘れた、深いところで
新しい
を待ち焦がれ
いつだって、夢に泳ぐ

暮れては明けて
それが僕らに与えられた規則で
夕焼けには耳の奥で
明日が開く音を予想する
それはもう
祈るような、深さ
明日、焼ける夜空の端は
平等に注がれること


空の底、大地の天辺で


ただ眠るだけの街にそっと吐息を吐き出せば
がたがたと開く扉の音、動き出す僕らの心音と
燃えるように、沈むように、回転している時間に
地平と地平の半円を、なぞるように手を広げて
深く、深く呼吸を、この星の溶けるところまで、押し込めて
重なり合った、夜と朝、分けることのできるこの手は
どこかでも、どこまでも、等しくその手に注がれて


今日が今日になる
ここにあるということを
朝がきて、暮れていく
手を広げたままの形で
僕らそれぞれに、片隅で
ここにあるということが
深くなる
深くなる


自由詩Copyright 霜天 2005-01-01 01:00:36
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