twitter
葉leaf
この声は誰にも届かないと この手は誰にも触れないと 極力理解することで自分を守ろうとした だが声は増幅して多数の人々へと届き 手にはいつの間にか無数の糸が絡まり 僕はそれを十分感じていたが それでもこの声は、この手は、誰にも届かないと 自分の内側に消せない烙印を押し僕は怒っていた
自然は緩やかに回転する衛星を内に秘めている 少しずつ木々は芽吹き花を咲かせ実を生らせ その回転に歯車のように噛みあって 僕らは木々の実りを最も美しくするために 蕾の数や実の数をそろえ 害虫や病毒から木を守った 実りの季節 自然の回転から歯車をそっと外し 何も移ろわない喜びを沈める
遠からず 過去の意味がやって来る 現在の子孫がやって来る そんな未来が来ないように 時間の流れを体で塞いでいるのだが この体こそが時間そのものらしい 何か未来を紛らすものはないか 美しい修辞はどうだ 冷たい母音はどうだ だが言葉こそが時間そのもので 僕は時間を円周軌道に閉じ込めた
人々よ 口を閉じ目を閉じ耳を閉じ 何も感じるな そして何も発するな そうすれば お前たちの存在を際限のない疲労が包んでいくだろう 疲労の果てに向かって身を投げろ 意識を捨てろ 再び目を開けたとき 壁は相も変わらず垂直で 太陽は相も変わらず眩しい そのとき訪れる微笑に身を委ねるのだ