羨望による創造
ヒヤシンス
夕映えに染まる高原の小道で、高く聳える悠久の塔。
刻まれた言葉は年月を超え、未熟な私の心を満たす。
全ての含蓄はあなたのうちに在り、一人佇む私に語る。
人を羨むな、と。
夜のしじまの山荘で、暖炉の炎がパチパチ弾け、
それを見つめる私の瞳がぼんやりと何かを掴もうとする。
私は何を追い求めるのか。白紙の頁にあなたは記す。
人を蔑むな、と。
天窓の遥か彼方に瞬く幾千・幾万の星々をあなたは表現する。
名も知れぬ山草をあなたは表現する。
忙しい幻想に過ぎ去る季節の中にさえあなたは留まる。
やがて朝が来るだろう。
あなたはきっと言うだろう。
自分の世界を創造せよ、と。自分だけの世界を創造せよ、と。