HAL

いつも想う
女は宇宙のようだと
いつも感じる
女は永遠のようだと
いつも覚える
女は有でもなく無でもない空なのだと

或る男は
女は楽器だと言った
でもそれは男が如何に愚かであるかを
証明しているに過ぎない
女は楽器ではない
終奏が続くフェード・アウトのない音楽なのにだ

女の心は真空のようだ
だからこそ何万年光年もの果ての
恒星の誕生が視える
男が視るのは滅びもう存在しない
塵となった星の放った光だけだ

女の眼に映る世界と
男の眼に映る世界は真逆と言っていいほど違うのだ
もちろん逆もまた真なりではない

そしてまた女は
持ってはならないものを持つ男ではなく
持ってはならないものを持たないものでもある

女には終わりのない始まりがある
男には始まりがあって終わりがある

それらに気づいた男は
いまから20万年前にアフリカを起源に生まれた
ホモ・サピエンスと呼ばれる現世人類の中で
片手の指を折って数えられるほどしかいない


自由詩Copyright HAL 2013-06-15 21:27:02
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