海岸を歩く
たもつ

 
 
カモメが空を飛ぶ
カモメの目の中で
僕は溺れる
溺れる僕は
工事現場をつくる

工事現場で犬は遊ぶ
どうして産まれたのか
なんて、犬のことなど
人は気にしない

大人しくていい子だね
子どもの頃の僕は
そんなふうに
両親や親戚に褒められた

海岸に沿って
二両編成の列車が走る
あれに乗って
おしゃべりをしたこともあった
 
 


自由詩 海岸を歩く Copyright たもつ 2013-06-15 21:11:22
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