アントニオ・ヴィヴァルディの夏
朝焼彩茜色

爪の先で立つ 淡々シャクシャクと 空気だけが音をたてる

そこまで 来ている 管楽器に含む息を切らしながら

シャンシャンを泡泡と連れて来る 蒸し跳ね返す 

そこまで 来ている シンバルが神経に触るあの密度の高い弦と弦の間合

汗垂れ弾く 蜃気楼をうつす 蒸し灼熱の瞳 

そこまで 来ている 季語を指揮する 月まで届くコンマス振り雷降らす

爪の先で立つ 甲高い奥行きの映える 淡々凛々しい瞳 世界中の空気を巻き込む

そこに来ている 

そこに来ている

夏の刺し


自由詩 アントニオ・ヴィヴァルディの夏 Copyright 朝焼彩茜色 2013-06-15 17:30:25
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