サザエ
藤鈴呼

城壁を 想像しながら
三途の河原では 有りませんと 
心の中で ゆっくり呟いた後で
石ころを 拾う

少しずつ 小さなものを 乗っけていかないと
崩れるって 言ったでしょう

教えられなくても バランスの 問題なのだから
分かりそうな モノなのに

砂の トンネルみたいに
何度 作り直しても 分からない

満ち潮になる刻だとか
陽の沈む 感覚だとか
心模様を 

一切 無視して 屯うから いけないんです

あの サザエは 
ヨウジをブッ刺して 食べるためのものでは
無いのですよ

そっと 耳につけて
忘れかけた 昔の音を
聞くためだけに 存在するのです

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自由詩 サザエ Copyright 藤鈴呼 2013-06-15 10:34:26
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