嘘つきケトル
カマキリ

それは夜空に間に合うために広がっていく感情たち
受け止めてきた数々の摩擦を銀紙の画板に敷き詰めるように
あちこちで火花をおこしながら流れていく

想いたいことはたくさんあるくせに
掴めたのはどうでもいいもので
なかなか捨てられないからとっておいた

大事に大事に価値を作って
情熱にかけた真っ赤なケトルがなる前に

これから一生ニガテなものにカウンターを当てて
握り損ねた手なんかを探している


自由詩 嘘つきケトル Copyright カマキリ 2013-06-14 23:39:34
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