やわらかな痛み
木葉 揺
斜めに流れる傷が
浅くてホッとしている
壁紙を分けるような瞬間だった
カッターナイフがあるとは
思いもしなかった
いや知っていたはずだ
私は分厚いと
言い聞かせていた
何度もカッターナイフを
思い出すのは何故だろう
自由詩
やわらかな痛み
Copyright
木葉 揺
2013-06-14 23:28:08