現代詩研究所
左屋百色

夏を告げる雨が降り
現代詩の季節到来。
その日、
男は自分の現代詩をファイルし
ある場所へ向かった。
バス停のベンチは腐り
座って待つ者は誰もいない。
空には何もない。
詩に結びつくものが何ひとつない。
遠くの煙突からは
黒ゴマのアイスクリームというよりは
麺つゆのような煙。
麺つゆのバケモノのような煙。
そんな事しか連想させてくれない。

男は予約しておいたある場所に
時間5分前に着いた。
そこは現代詩研究所であった。
入口で手続きを済ませ順番を待つ。

しばらくして男は名前を呼ばれ
ドアを開けた。
その部屋はとても静かで
研究所の所長がひとり
座り心地の良さそうな椅子に
深く腰をおろしていた。
男はファイルを所長に渡し
単刀直入に聞いた。
(この作品でポイント入りますかね
すると所長は食い気味で言った。
(まず無理でしょうね


自由詩 現代詩研究所 Copyright 左屋百色 2013-06-14 13:18:38
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