天辺
伊織

見上げた
遠い青は
海のものなのか
空のものなのか
わからない
そもそも
ここは海なのか
それさえも
忘れてしまった



浮上する
どこを
目指して



まとわりつく
うすらぬるい抵抗にも
すっかり慣れた


息を、
吸い込んではいけない
たまに忘れては
むせてしまう



単色のグラデーションの世界ならば
幸せだった
月夜に見てしまったのは
わたしの
真白なてのひら



見上げる
遠い青は
誰のものなのか
しらない
ただ
すべては
毛布のような一枚の檻


自由詩 天辺 Copyright 伊織 2013-06-13 21:25:35
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