二十歳
アオゾラ誤爆
浅い眠りから覚めて
声を聞いた
ようやく橋を渡りきったんだ
そしてあなたが待っていた
片手には宝石を
もう片手には駐車券を
その瞳にはあふれんばかりの
頑なな愛をたずさえて
溶けはじめた氷が
山間をくだり ぬるくなるまでのあいだ
あどけない肩を
晴れた空の下にさらしていた
真下に
川は流れている
人々はランプを点けて
せわしなく 行き交っている
背は伸びずとも
もう三月だ
坂道も曲がり道も
いつまでも続くかのようで
饒舌すぎない上機嫌のあなたが
しずかに ハンドルを捌いていく
でもいつまでも続かない
賑やかな恋と旅