お口にちゃっく。
凍湖(とおこ)
うーん、もう
どうにもこうにも
まったく、やっかいなので
くちびるを接着剤でくっつけちゃいました。
くっつけちゃったので、しゃべれません。
これであんしんあんぜん、口は災いのもと。
ああ、でも
目が語ります。
うるさいくらいにはっきりと。
かおも青くなったり、赤くなったり
眉毛や口角なんかは、忙しく上がり下がり
いたします。
空の高いとこで、雲がどんどんと流れていき
日向になったり、日陰になったり
めまぐるしく変化する、景色のなかで
わたしも変化のただなか。
ラクしてただの石ころになる
なんて
できなかった!
だってわたしは、生物(なまもの)です。
触れれば傷めど、みずみずしい有機体。
立派な殻に引きこもっては、腐ります。
腐って、ガスがたまって、破裂します。
殻ごとばーん!とやっちゃいます。
だから、どんなに黙っても、目をつぶっても
それが、殻から漏出する内面です。
ちろちろと水が漏れでるように、外とはいつも繋がっている。
不完全さは、少なからぬ換気孔。
呼吸とは、世界との交歓。
そうです。
なかなかどうして、なにしても
いきてる以上は表現でした。