夾竹桃 ~夏が来るたびに~
西天 龍

季節の企みはいつも残酷で
美しい踊り子達が咲き競う
真夏の舞台に素裸で引き出され
お前も踊れと囃されている
毒で相手をとり殺す化け物と
囃されている

あるいは
冬枯れて朽ちた安穏と
もう二度と焦がれることのない思いに
尽きて果てた法悦のあとに
陽炎に溶けた半身だけを呼び起こし
空に血の染みをつける

夏が来るたびに
果てのない情念の火輪を廻しながら
永久凍土の下からでも甦ろうとする
我が身を呪う
あるいは
時の翻弄に抗しきれず目を瞑る
生の哀しみを呪う

夏が来るたびに


自由詩 夾竹桃 ~夏が来るたびに~ Copyright 西天 龍 2013-06-09 22:42:51
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