夏風
Neutral

何だかいつもより風が強いね
今日は

僕の隣を通り抜ける風が
僕の口からこぼれた言の葉を巻き返し
僕に突き返す
お前の言葉などこんなものだと

僕達の望む未来が
お前の様な風なんかに
吹き飛ばされるものであってたまるか

俺たちは自由な風だ
だからどうした
自由を得てやる事がそんな事なのかと
僕達はどこ吹く風で見送るのさ

雲が揺れ
髪がなびく
樹は踊り
花壇の花達は悲鳴を上げる

再び僕の隣を風が通り抜け
今度は僕の視線の先へと言の葉を突き進めていく
君たちはあの向こうに何を求めていくの
僕は
分からないままだけど

風が吹くと空気がおいしくなるように感じるのは
木々のざわめきが歌声のように聞こえるのは
向かい風が誰かからの非難の声のように思えるのは
そんな憂鬱も追い風はみんな吹き飛ばしてくれるような気がするのは

みんなみんな
大切なものは目に見えないから


自由詩 夏風 Copyright Neutral 2013-06-07 00:46:35
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