アソコ伝 86章
花形新次
質素な食事は
タマンキとその弟子たちにとって
いつものことだった
タマンキには
スプーン五杯の
ゴッツァン海産のチョウザメの卵と
ブドウの搾り汁を発酵させた飲み物一樽と
小麦を丸めて焼いたものの他に
ヤギの乳を固まらせたものや
牛の横隔膜が50kgしかなかった
弟子たちには
スプーン三杯のチョウザメの卵と
他にはアラカルトが用意されていた
タマンキは
そんな貧しい食事を前にされても
微笑みを浮かべ
「我々は満たすために遣わされたのではない
満たされざる者たちのために遣わされたのだ」
と弟子たちに言われた
弟子たちはタマンキの言葉を噛み締めることで
腹が満たされるのを感じた
デザートのマンゴープリンを食べ終わると
タマンキと弟子たちは
錦糸町のキャバクラに出掛けた