梅雨
ドクダミ五十号

降れば良い

よどみもさすれば

満たされ以上に

早瀬はなお早く

とがった石も角を丸め

岸にて柳の枝は濡れそぼつ

止まない雨はない

風が言うのだし嘘ではない

風が雲を押して

空が晴れ渡り

柳の葉は枝を飾る

風は喜びを歌う

うぐいすの声を運び

激しい流れに怯えた小魚も

流れに袖を振るい舞うようだ

水面には

歌にも聞こえ

絵画にも見え

愛撫ともとれる

反射が四方にきらゝだ

水ごと掬い取っての

欲望は愚かなのだと

知っていながら試す時

君や私は破顔しましょう

価値はあるのですから





自由詩 梅雨 Copyright ドクダミ五十号 2013-06-06 10:40:20
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