ハムカツ
藤鈴呼

此処が かつては 断層地帯だったんだって
いつも 伝える前に 通り過ぎてしまう

うんぜんねんまえ だとか
単位じたいも 分からない時代のことを
上手く 伝えられぬ 恐怖

そんな事態を ひっくるめて
私の中で 年輪となる

脳の 皺加減が 少しずつ 増えて行くのならば
目には 見えないけれど 

何とはなしに 自慢できるようなアイテムが
一つ 増えて
付加価値も 付けたく なるのですけれども

いかんせん 胃袋の周りばかりが 
定位置なのですから
低位置過ぎて 言葉に 詰まる

喉に 詰まるのは 何日前の 餅なのですか
餅なんて 持って いないのですか
そんなの知らないんですか

などと 呟きながら 
ハムカツを クシャリと壊す

舌の先で 舌の中で 舌の下で
全ての具材を ごちゃ混ぜにして

せめて 愚妻とは 呼ばれぬようにネ!って
ペロリ 舌を出しながら

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自由詩 ハムカツ Copyright 藤鈴呼 2013-06-05 19:18:36
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